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機械系分析

　一回目の検査で多数指摘を受け、不具合を直したのち二回目の車検で技術検査通過となりました。 一回目では作り込みの甘い箇所を中心に指摘をうけました。二回目の技術検査にのぞみましたが、 配線の取り回しに関して厳しい指導をうけ、その場で修正して、やっと合格という形になりました。 一発合格を目標に臨んだ技術検査でしたが、実際にはシェイクダウンの遅れに起因する作り込みの甘さから数多く指摘をうけ、 二回目での合格となってしまいました。また、項目は少ないですが、 電装の作業を技術検査予約時間直前まで続けたことにより、処理が雑な箇所も同じく指摘を受けました。
　重量検査では当初見積もりより85kg 重い、285kg となりました。部品一つ一つの軽量化努力が不足していることや、 大会直前まで続いた作業により電装部品がかなり増えたことなどが重量増加の原因として挙げられます。 重量設計のマネジメントが行き届いていなかったことが原因です。チルト試験は無事、一回での合格となりました。
　ブレーキ試験は電気車検を通過することができず、車両に動力を入れることが許可されなかったため、 受けることができませんでした。

電気系分析

　大会中、トルクエンコーダの試験をしている最中にリレーが作動しなくなりました。大会後、 作業場でバッテリーを分解し原因究明を行いました。ヒューズが切れていなかったため、 まず疑われたのがチャタリングによる溶着ですが、確認できませんでした。 溶着した状態でもコイルの音がなるのか確認するため、電圧源を使用しコイルに電圧を加えたところ、音が鳴り、 数回鳴らすとリレーが正常に切れるようになりました。この状況で疑われるのは軽度の溶着です。 そこで、どうすれば再び溶着が起こるか実験を行いました。
LVSW(低電圧スイッチ)をオンにした状態でHVSW(高電圧スイッチ)をオン、オフを繰り返すと、 まずプリチャージリレーが溶着し動かなくなることが分かりました。プリチャージリレーはラッチング機構であるため、 LVSW をオフにしない限りリセットされません。したがってプリチャージできなくなるので、突入電流で溶着したと考えられます。 トルクエンコーダの試験でHVSW のオン・オフを繰り返したことが原因と考えられます。 中途半端な溶着についてメーカーに問い合わせたところ、溶着しても衝撃を加えるなどすれば復帰することがあり、 コイルに電圧を加えて復帰することもありうる、との回答を受けました。改善策として、 HVSW を切ればリセットされるような機構にすることが挙げられます。
　その他の指摘点は、ブレーキオーバートラベルスイッチの装着、トルクエンコーダの動作、配線、絶縁です。